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評価:
米澤 穂信
東京創元社
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待ちに待った小市民シリーズ第3作目「秋期限定栗きんとん事件」を読了。
上巻は2月末にゲットしていたけど、基本的に下巻発売を待ってから一気に読破するのがいつものパターン。今回もそうしました。
本来の性質をぐっと抑え、小市民となることを常として相恵関係を築いていた小鳩君と小佐内さんだったけど、前作ラストでその関係も解消してしまって、どうなっていくのかなと思ってました。
本作では、小佐内さんと付き合いはじめた新聞部・瓜野君を第2の主人公として、市内で頻発する連続放火事件を追っかけていくストーリー。
放火といってもゴミが燃えたり、自転車が燃えたりする程度の小規模な事件だけど、徐々に燃やされるもののグレードが上がってきたりと、中々の危険度です。
しかも、事件を追う瓜野君を応援していながらも、あるときを境にその背後に小佐内さんの影がちらほら…
対する小鳩君はといえば、放課後の教室で告白されてかわいい彼女が出来て小市民な生活を謳歌してたりとまんざらではないご様子。
それでも、小佐内さんの影を事件に見出してからは、元新聞部部長である健吾に協力して少しずつ活動を開始していく…
殺人事件が起きるとかの大きな出来事があるわけではない「日常の謎」ではあるのだけど、自らの手で放火犯を捕まえようと包囲網を敷く瓜野君ら新聞部の活動や、事実に迫っていく小鳩君の推理など、読者をグイグイと引っ張ってく展開の巧みさがあります。
四季を冠してるゆえに、次作でこのシリーズもたぶん終わりのはず。
この上下巻の間に3年生の残りもあと6ヶ月となった小鳩君と小佐内さんの関係はどうなっていくんでしょうね?
ちたんださん風に言えば、「わたし、気になります」だね。